2011年11月25日金曜日

水中考古学的沈船調査 ~続き

さて、今回は水中考古学的沈船調査の続編をお送りいたします。

前回では、山形県飛島沖での歴史的遺物である沈没船の調査にサイドスキャンソナーを投入し、船の残骸と思われる姿を捉えたところまでお話いたしました。
今回はダイバーさんに実際に海に潜ってもらい、沈没船の潜水調査に移ります。
サイドスキャンソナーで捉えた画像が本当に古代の沈没船なのか、人の目で確認する作業です。あわよくば、水中考古学における物証として、沈船と一緒に沈んだ歴史的に価値のある物を引き上げてくれれば今回の調査は大成功です。

しかし、ここで一つ大きな壁があります。というのも、この沈船らしき物体の画像を捉えた場所は水深が60m以上あり、普通のダイビングでは安全に調査ができない水深となります。普通のダイビングとはスキューバダイビングのことを指すのですが、スキューバダイビングで作業ができるのは、せいぜい水深50mぐらいまでです。

そこで今回の調査では、リブリーザーダイビングと言う潜水方法を用いることになりました。
このリブリーザーというのは、呼吸排気から二酸化炭素を取り除き、酸素を補って再利用する循環式呼吸装置のことで、減圧が必要な大深度潜水を行うのに適した潜水方法らしいです。

これはもともと、水中での特殊任務を遂行するために軍用として開発されたものらしいです。
この潜水方式では、吐いた息が泡になって水中に出ないので、敵に発見されにくい特性を持ちます。実際にアメリカ軍のNAVY SEALSあたりで使用しているらしく 、ダイバーさんも元自衛隊の方でした。

しかしいかにハイテクな機材を使ったとしても、今回潜る水深での作業では、上がってくる際に水中での減圧時間が3時間以上必要らしく、なかなか過酷な作業となりそうです。

それでも、やはり目指すはお宝発見!いやいや水中考古学的見地からの検証のため、ダイバーさんにはがんばってもらうしかないです。
しかしこのリブリーザーダイビングに必要となる機材はハンパない量です。二人のダイバーさんが使用する分だけでも軽トラ一杯分あります。スキューバダイビングの機材なんてたかが知れているのに、水深が少し深くなるところに潜るとなると、これだけの重装備が必要になってしまうんですね。

しかも、機材の準備にもかなりの時間が必要なようです。ダイバーさんたちが調査前日から準備を開始していたのですが、結構夜遅くまでかかっていたようでした。大深度潜水はやはり危険が付きまとうもの。準備は念には念を入れて行う必要があるのでしょう。

さて調査当日、海のコンディションも悪くなく、さっそく潜水調査の開始です。
果たしてお宝発見になるのか!
詳しい模様は動画にて!



この約3時間後に、浮上を合図するフロートが水面に浮かび上がり、ダイバーさん達の回収に向かいました。
そして、肝心の結果の方はと言うと・・・・。
すみません、肝心の水中の画像もしくは映像がまだ手元にないため、今回はまだアップできません。
手に入り次第、また公開したいと思います。それまでまた少々お待ちください。

いつまで引っぱんだー。ヾ(*`Д´*)ノ"彡


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2011年11月17日木曜日

水中考古学的沈船調査

先日山形県飛島付近の海域でサイドスキャンソナーを使った沈船の調査に参加してきました。
今回の調査は、海底に眠る古代の遺物を発見するための水中考古学調査です。

聞く話によると、この山形県沖に浮かぶ飛島という島の付近の海域は「北前船(きたまえぶね)」と呼ばれた、江戸時代から明治時代にかけて、大阪と北陸や北海道の間を結ぶ、昔の交易船の航路になっていたそうです。

また、飛島には岩山で囲まれた天然の良港があり、海がしけた時などは北前船の避難港として使われていたようです。
しかし、それと同時にまわりには暗礁も多く、操船を誤って座礁、沈没の憂き目に会った船も多くあり、実際この付近の海域からは昔の壷などが底引き網漁船の網に掛かることがあったとのことです。

一方、北前船とは別に、江戸幕府が所有していた第二長崎丸という船も江戸時代末期にこの辺で座礁して沈没したらしいです。
この船は昔イギリスから幕府が購入した蒸気機関で走る鉄製の輸送船で、勝海舟や坂本龍馬を乗せたこともある、歴史的価値が高い船です。

今回からはこの海底に眠る「北前船」か「第二長崎丸」を発見すべく、サイドスキャンソナーを車に積んではるばる山形県まで行った調査の顛末についてご報告したいと思います。

実は今回の調査は2回目となり、1回目の事前調査では、海底のそれらしい影をいくつか捉えておりました。そして、画像解析の結果、船の残骸である可能性が高まり、今回の再調査となりました。

すでに場所は特定しているので、今回はより画像が鮮明に映る方法を使ってのピンポイントでの調査です。
もちろん今回もまた画像を撮るだけではありません。実際その場所にダイバーさんに潜ってもらって、船の残骸を確認し、何か証拠となる歴史的遺物を引き上げてもらおうと言う寸法です。



飛島までは酒田港からチャーターしたボートで向かいました。到着後、早速島の古老に挨拶し、第二長崎丸に関する聞き取り調査を行いました。インタビューしたのは2名で、お二方とも90歳に近いのにまだまだ元気な方達でした。
お二人の話では第二長崎丸が座礁した時、島の人総出で船の中の荷物を陸に引き上げたそうです。その後、座礁していた船は暫く元の位置にあったのですが、ある日嵐が来た時、翌日の朝には第二長崎丸の姿はもうそこにはなかったそうです。きっと強風で沖に流されて海底に沈んだのでしょう。

お二方へのインタビューは別々に行ったのですが、実はお二人が言う座礁した場所が少し食い違っておりました。また、最初の方が言うには、座礁して流された後はどこに沈んだのかは島民にもわからないとのことでしたが、もう一方の方は、流されて沈んだのは今の港があるすぐ近くで、海の上から見える場所であった、そこではアワビが取れるので、子供の頃は良くそこで潜ったとの話でした。
で、その船は今どうなっているのかと聞くと、新しく港を作る時に邪魔だから爆破されたとの驚愕の証言が出てきました。

第二長崎丸が座礁した時はお二方ともまだ生まれてはいなかったし、少々話が食い違うのもさすがにしょうがないと思うのですが、爆破されたと聞いた時は皆少なからずショックを受けました。

しかし、本当にその爆破された船が第二長崎丸だったのか、実は他の船と取り違えているのではないか、それが本当だったとしてもそんな歴史的遺物を爆破するものなのか、いや、昭和の高度成長期ならそれぐらいのことはあっさりやってしまうだろうとか、後で調査メンバーがあれこれ議論するも、やはり真相は闇の中、結局調査してみなければわからない、との結論に落ち着きました。

その後、我々が旅館で晩御飯を食べていると、「当時の北前船はドイツのマイセンの食器なんかも運んでたらしい」とのありがたい情報が旅館のおかみさんからもたらされました。
当時のマイセンと言えば、今では古マイセンと言ってその価値はかなりのものになるはず!こっ、これは一攫千金も夢じゃない!考古学も大事だけど、気分は一気にトレジャーハンター、パイレーツ・オブ・ヤマガタンの気分です。


そして調査当日、勢い勇んで飛島沖へ突撃です!
次の動画が調査の様子です。


そして画像解析の結果、現れた画像がこれです。


キタ━(ノ゚∀゚)ノ━!!
これはたぶん船でしょう。いーや船です、形からして昔に沈んだ船の残骸に違いないはず。
この辺は砂地で回りに岩や根などは見当たりません。砂地の中に何かしら長細い船の舳先とも取れる人工的な構造物がぽつーんと鎮座しております。漁礁とも形が違いますし、戦後この辺に沈んだとされる船の記録もないため一気に期待が膨らみます。
そしてその夜、調査メンバーが協議した結果、やはりダイバーさんに確認してもらうのはこの場所と決め、さらにそれっぽいもう一箇所を追加して、翌日からの潜水調査に望みを賭けることになりました。

そのようなわけで潜水調査の様子はまた次回!果たしてお宝発見になるか!

TO BE CONTINUED



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2011年11月11日金曜日

釣りナビくんスマートフォン版についてのお知らせ

前回の記事で、釣りナビくんスマートフォン(アンドロイド)版について、11月初旬までにリリースの予定とお知らせいたしましたが、諸事情により、リリースまでにはまだ少しかかる見込みとなりました。

現在、ウェブ上での動作などで技術的な課題が多少残っております。

いつまでにリリースできるとは現時点ではっきり言えませんが、わかり次第ご報告したいと思います。

大きな問題でないと思われますので、それほど時間はかからないものと考えております。
これら問題が解消いたしましたらすぐに公開いたします。


スマートフォン版を待ちわびている皆様には、ご迷惑をおかけしまして大変申し訳ありません。
もう暫くお待ちくださるようお願い申し上げます。


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