2011年12月22日木曜日

水中考古学的沈没船調査 ~完結編

今回は前回に引き続き、山形県飛島沖における沈船調査の完結編をお送りしたいと思います。
これまでお待たせして、申し訳ありません。
皆様にお見せすることができる水中の画像を入手しましたので、ようやく発表へとこぎつけることができました。

ではさっそく参りましょう。
本邦初公開!これが山形県飛島沖での水中考古学的沈没船調査の水中画像です。
とくとご覧あれ!


リブリーザーダイビングの機材を装備したダイバーさんが、ポイントに投入したアンカーロープをたどって水中を降下して行きます。


ん?なにやら海底に大きな物体らしきものが横たわっているのがぼやーっと見えます。


海底に着底しました。


ちょっと見にくいですが、ダイブコンピューターが表示している水深は64mです。さすがにスキューバダイビングではこの水深は危険ですね。


謎の巨大物体に向かって移動して行きます。


こっ、これは !? もしや!


やはり、船だー!サイドスキャンソナーの画像そのまんまに、沈没船が海底に鎮座しております。


これがあの勝海舟や坂本龍馬を乗せた第二長崎丸なのか !?
水中スクーターを使って船の周りを調べていきます。


甲板に大きく開いた穴から船倉の中に入ってみましょう。果たしてお宝は?


船の内部はお魚の棲家となっております。メバルやソイ、アイナメなんかが多く見られました。
しかし、中部はことのほかガラーンとしてますね。


もう一回外へ出て他の部分を調べましょう。
すると・・・・、ん!なんか丸い物体が舷側に。甲板上にもなんか見慣れたまーるいモノが。

 

えっ?はっ?たっ、タイヤ・・・・・?


おっと、そろそろ時間切れです。浮上の準備に取り掛かります。


段階的に減圧を繰り返して水面に浮上します。
減圧は2時間にわたります!大変ですね。


 この後、水面に浮上したダイバーさんを回収し、潜水調査が無事終了しました。

そのようなわけで、あの船は歴史的遺物として価値があるものなのか気になるところですが、あのタイヤが全てを物語っています。第二長崎丸は江戸時代に活躍した蒸気船です。その時代にあんな現代チックな車のタイヤが存在していたのでしょうか。

船が岸壁に停泊したり、他の船に横付けする際に、船体が傷つかないよう防舷材として車の古タイヤは今の時代よく使われます。港に行くと、タグボートがタイヤをズラーッと船の横に括り付けているのをよく目にしますね。

このことから、あの船は戦後に沈んだ船だと言うことがわかります。船の中にはエンジンも何もありませんでした。船の中身を全て取っ払った後に海中に投棄目的で沈められた船だったのではないかと思われます。 ちなみに、もう一つのポイントで発見した船も、比較的新しいものでした。

んーっ、残念!やはりそう簡単に世紀の大発見と言うわけにはいきませんね。
気を取り直して、また次の機会に期待したいと思います。
いつの日か、是非皆様に、このブログで発見のご報告をしたいと思います。

ではまた、その日まで。


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