2011年5月20日金曜日

釣りナビくんの新機能③ ~釣りマップ~ 「根と瀬」編

前回に引き続き、今回は釣りナビくんの新機能である「釣りマップ」の根と瀬の表示についてご紹介します。


対象魚にもよりますが、ボート釣りでのポイントと言えば、やはり根回りが有力候補でしょう。根の周辺には多種多様な根付きの魚が生息し、カサゴやハタ、メジナ、イシダイなど、釣りの対象魚には事欠きません。

また、根回りは回遊魚にとってもよい餌場となるので、ブリやヒラマサ、カンパチなど、青物の魚が回遊の途中で居着くことが多いです。

砂地に住むキスやコチ、ヒラメ、カレイなど魚も、周りに何もない砂地の真ん中にいつもいるわけでもなく、やはり砂地の中にポコンと出ている根の周辺の砂地に寄っていることが多いです。



根というのは、海の中の岩礁や岩礁地帯を指します。岩には海草や貝類、イソギンチャクなどの生物が多く付着し、エビやカニ、ゴカイの仲間なども多く生息しています。それらの生物が魚の良いエサとなる一方で、岩礁地帯は魚の隠れ場も提供するため、たくさんの魚が集まってくるわけです。

瀬というのは海底が隆起して、周りよりも浅くなっている場所を言います。こういった場所も昔からの良い漁場、もしくは釣りのポイントとなっています。東京湾ですと、「三番瀬」や「中ノ瀬」が有名ですね。

深い海でも周りより浅くなっている場所は、そこだけ太陽光線が届きやすく、藻類にとって繁殖しやすい場所です。また、湧昇流と言って、潮の流れが瀬にぶつかると、海底部分の栄養分を多く含んだ海水が海面近くまで湧き昇ってきます(まさしく湧昇流)。このような海域では植物プランクトンが多く発生します。すると植物プランクトンを食べる動物プランクトンが増え、動物プランクトンを食べる小魚が集まり、小魚を食べる大きな魚が・・・という流れになり、あとは言わずもがなですね。


漁礁というものも、回りに何もなく魚もあまり見られないのっぺりした砂地に、人工的な根を築くことによって、海域の生産性を高めて魚を集めようとするものです。

砂地に設置された漁礁群

根や瀬以外にも、海の中の岩礁地帯や浅くなっているところを示す呼び方が、地方によっていろいろあります。代表的なのが「曽根」、「ぐり」、「ハエ」、「出し」、「洲」などで、他にもまだまだあるようです。
これらの名称が混在する海域もあるので、呼び方によって微妙にニュアンスの違いがあるかも知れません。機会があったら漁師さんに聞いておきたいと思います。

ちなみに英語では、「shoal」、「cap」、「reef」、「rise」、「hill 」、「knoll」、「bank」などと呼ぶようです。大西洋にあるグランドバンクスなんてタラの有名な漁場ですね。


「洲」については、干潮時に浅い部分が水面から上に露出する海域のことを主に指すようです。東京湾には「磐洲」という干潟があって、アサリの良い漁場になっているそうです。

静岡県の沖合いには、「銭州」や「金洲」など、巨大な青物がぶんぶん泳いでいる超有名なポイントがありますが、これらの場所では魚が多く獲れるため、銭や金が集まる場所という意味で「~洲」と呼ばれるようになったとのことです。銭州は日本の三大漁場の一つとも言われているそうです。




この「日本三大漁場」ですが、ネットで検索してみると、「ここ〇〇沖は日本三大漁場の一つと言われ云々・・」との表記が多く見られます。ところが、この「〇〇沖」の〇〇は、とてもじゃないですけど3つどころの話ではなく、一体いくつあんねん!と突っ込みたくなるぐらい、いろいろな地名が出てきます。
銭州をはじめ、ちょっと見ただけでも、オホーツク、金華山、三陸、外房、東京湾、三河、熊野灘、有明海、壱岐、玄界灘、などなど、全部見たら日本の沿岸をすべてカバーしてしまいそうな勢いです(笑)。この際はっきりと漁獲量で統計とって、水産庁あたりのお墨付きで日本三大漁場というものを決めてもらいたいものですね。

ちょっと脱線しましたが、本題に戻りたいと思います。
一部の海域に限られますが、「釣りナビくん」では、釣りのポイントとなる根や瀬の場所を「釣りマップ」上で確認することができます。



スケールバーで下から段々と拡大していくと、上から5番目から根や瀬の表示が現れ始めます。
現在のところ、根と瀬の場所および名称が表示される海域は、千葉県の房総半島、神奈川県の三浦半島、静岡県の伊豆半島周辺、愛知県の三河湾、三重県の志摩半島、熊野灘周辺、和歌山県の紀伊水道、兵庫県の淡路島周辺、福井県、京都府の若狭湾周辺です。今後は可能な限り、根や瀬のポイントを釣りマップ上に追加していく予定です。

無料の会員登録をしていただければ、誰でも「釣りマップ」を見ることができます。

釣りに行かずとも、根や瀬の名前を見ているだけでけっこう楽しめますよ。


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2011年5月11日水曜日

釣りナビくんの新機能② ~釣りマップ~

今回は「釣りナビくん」サイトのメイン画面となる「釣りマップ」についてご紹介したいと思います。

まず、無料の会員登録を行った後にログインされると、「釣りナビくん」サイトのメインとなる「釣りマップ」ページが開きます。

釣りマップでは、以下にある釣りに役立つマップ情報が表示できます。

① 海底ソナー画像

② 海底地形図

③ 最新海水温分布図

④ 最新プランクトン濃度分布図

⑤ 根や瀬の位置



①の海底ソナー画像および、②の海底地形図については以前にもご紹介したのでここでの説明は省きます。

③の最新海水温分布図と④の最新プランクトン濃度分布図についてですが、これらの情報は衛星画像を元に「釣りマップ」上にわかりやすく色別で表しています。

                    海水温分布図

                 プランクトン分布図

ちょっと難しくなりますが、衛星画像とは以下のことらしいです。

  • 「衛星画像とは、地球観測衛星である「テラ」および「Aqua」に搭載されている可視・赤外域の放射計MODIS (MODerate resolution Imaging Spectroradiometer)により、地表、大気中微粒子および大気からの放射を観測して、地球環境に関する諸量を求めて作成した画像です。」

最新海水温分布図は海面水温を表しており、最新プランクトン濃度分布図は海色(クロロフィルa濃度)を表しています。両者共に毎日更新されます。表示される最小単位は約1.1km四方となっていますので、拡大していっても、かなり細かいところまで水温と海色の分布図をご覧頂くことができます。ただ、雲の影響を受けやすいので、天気が悪いエリアは表示されないことがあります。


海水温は潮回りと同様、釣果を左右する重要な要素です。
カツオやブリ、カンパチなどの回遊魚は、自分に適した水温を求めて移動します。春から夏にかけて、暖かい海水域は南からとだんだんと北上していきます。回遊魚も暖かい海水と共に移動します。海水温の変化がわかれば、「そろそろあのポイントに青物の群れがやってきそうだ」なんて、予想を立てやすくなりますね。

また、回遊魚ではない、根付きの魚なんかも水温の変化には敏感で、ダイレクトに魚の活性に影響します。
魚にとって、活発になる、すなわち食欲が出てくる水温の範囲というのがあって、その水温から下がる、もしくは超えたりすると、とたんに魚はエサを食べなくなることがあります。特に水温の急激な変化には弱く、過去2、3日の間に急に水が冷たくなったりした時は、釣果も渋くなる傾向にあります。

プランクトン濃度は、海水の栄養分や海水の濁りぐあい(明るい潮や暗い潮)を示しているので、海水温と同じく、魚の活性や移動を予測するための指標となります。
よく釣り船の船頭さんが「今日は暗い潮が入って来てるから、どうかな~」なんて言うのを聞いたりしますが、潮の濁り具合に敏感な魚もいますので、狙う魚によっては潮の色も考慮に入れておくと、きっと良い釣果に繋がると思います。

そのようなわけで、釣行の前には「釣りナビくん」の釣りマップの最新海水温、最新海色分布図をチェックしましょう!

⑤根や瀬の位置に付いての解説は、また次回に。


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