2018年11月28日水曜日

沖縄健宮古島に海洋センサーの取り付けに行ってきました

先日、弊社(環境シミュレーション研究所)が開発した海洋観測センサーの設置に宮古島に行ってきました。
当日の朝、協力していただく漁船が漁から港へ帰ってきました。
デッキには獲ったばかりのマグロ、シイラ、ツムブリが!

メバチとツムブリ/釣り情報アプリ 釣りナビくん

マグロはメバチマグロですね。
なんでも夜間に集魚灯を炊いてイカを餌に一本釣りするらしいです。
沿岸のマグロ漁といったら、引き縄や小規模のはえ縄漁のイメージが強いですが、八重山の方ではメジャーな漁法だそうです。

シイラ /釣り情報アプリ 釣りナビくん

ちなみにマグロに走光性ってありましたっけ?
マグロの養殖試験では車のヘッドライトに驚いて生簀網に激突死するなどあったようなので、逆に光を嫌うのではないかと思っていましたが、そうでもないようですね。

メバチマグロ /釣り情報アプリ 釣りナビくん

メバチマグロは日中は水深300mとかの深いところにいて、夜間に餌を取るため表層に浮いてくるんだそうです。
この漁法は、夜中に小魚を集魚灯で集め、それを餌とするメバチマグロが船の周りに寄ってくるところを釣りあげるのでしょう。

そこでふと思ったのですが、この釣り方って相模湾とか駿河湾とかでできないですかね?
最近は釣り用の集魚灯とかも売ってますし、いつかチャンスがあったらやってみたいと思います。

by ブルーオーシャン伊藤



釣り情報アプリ 釣りナビくん



2018年8月29日水曜日

「ポジティブ・オフ」ってご存知ですか?

まだ聞きなれない言葉ですが、「ポジティブ・オフ」運動とは、休暇を取得して外出や旅行などを楽しむことを積極的に促進し、休暇(オフ)を前向き(ポジティブ)にとらえて楽しもう!という運動です。


ポジティブ・オフ/釣り情報アプリ 釣りナビくん

「ポジティブ・オフ」ホームページからの引用では、「休暇を取得しやすい職場環境や雰囲気をととのえていくこと、それをベースとした外出・旅行を通じて経済活性化に貢献すること、長期的にワークライフ・バランスの実現や休暇を楽しむライフスタイルなどの「ライフスタイル・イノベーション」につなげていくことを目的として、内閣府、厚生労働省、経済産業省が共同で提唱・推進している運動」とのことです。

欧米と違って現在日本の一般的な会社では、大中小の企業を問わず、社員は有給休暇を取ることもままならない、と言うか、周りが取っていないと自分だけ取るのは気が引けますよね。
そこでそんな古来からの日本の企業風土を変えようと、行政主導で現在行っている運動だそうです。

余暇を積極的に取ったら何をするか?

たまには何もしないでボーっとするのもいいかも知れませんが、やはりポジティブに余暇を取るなら、ポジティブに楽しみたいですよね。
余暇と言えばレジャー、レジャーと言えば、もう皆さんお分かりですね。


そう、釣りです。

まあ、そんなことを言わなくても、このページを見ている釣りキチの皆さんは、「あー、〇日後の潮回り、あのポイントに行けば爆釣間違いなしなのになー、有給取って釣り行きてー! けど今は有給下さいなんて言える雰囲気じゃないしなー」なんてこと、しょっちゅうですよね。
そんな会社の雰囲気を変え、いつの日にか自分の会社が有給を全て消化できるホワイトな会社になるよう、皆さんも運動を盛り上げていきませんか?

そのようなわけで、釣りナビくんもポジティブ・オフの賛同企業に登録いたしました!

皆さんも賛同企業に登録するよう、ご自分の会社に働きかけてみてはいかがでしょうか?
まずはじわじわと、少しずつ始めましょう。




釣り情報アプリ 釣りナビくん

2018年7月26日木曜日

DeSET プロジェクトの実測調査に参加しました

伊豆半島稲取沖で行われたDeSETプロジェクトのマルチビーム測深機による実測調査に参加しました。

マルチビーム調査に出発/釣り情報アプリ 釣りナビくん


釣りナビくんではこれまでに得られた測深データによる海底地形図を公開しておりますが、やはり海の中は陸上の地形図並みの精度はありません。
ましてや、太平洋のど真ん中あたりの公海の海域の地形データはかなり粗いものとなります。
DeSETプロジェクトとは、日本および世界各国の沿岸のみならず、世界中の海底地形図を現在のレベルからより詳細なレベルに引き上げ、将来の海底資源の探査や水産資源の評価等に役立てていくプロジェクトです。

 詳しくはコチラ!

今回参加したTeam3では、AIを活用することにより解像度が低い海底地形エリアをより精度の高いものにする調査研究を行っております。
今回の調査では、現在開発中の海底地形作成AIが作成した海底地形と実際の地形を比較するために、センチメートル単位で測深できる高精度のマルチビームソナーを用いて調査を行いました。

海底の地形をモニター中/釣り情報アプリ 釣りナビくん



今回の調査で得られたデータをAIに学習させ、より精度の高い地形図を作成します。
この一連の「作成→調査→比較→学習→作成」のサイクルを繰り返し行うことで、海底地形図の精度をより高めていきます。
どれだけ正確な海底地形図ができるか、今から楽しみです!

そろそろ調査終了/釣り情報アプリ 釣りナビくん


釣り情報アプリ 釣りナビくん

2013年11月8日金曜日

ボート野郎! ぐりの釣行記!⑨

ルアーでナブラ撃ち! 相模湾のマグロ PART 2

8・24

事前の情報では、城ヶ島から南西方向にあるパヤオ~沖の瀬のちょい西で模様ありとの事。
朝のうち吹いてた南西風でかなりうねりが残っていた。

うねりの中、沖の瀬に向かって南下するが中々模様がない。
沖の瀬を少し過ぎたあたりで、散発的な鳥の突っ込みを確認。
追撃態勢に入る。

パラっと固まってはすぐにバラける鳥たち、ベイトが薄いのか中々がっつり固まらない。
走る鳥を追っかけては固まりかける間合いで、誘いだし。
何度がルアーにガバッと出る場面もあったが中々バイトしない。

少しずつ北上していく鳥を追っかけ、いつしか沖の瀬からパヤオ西まで戻っていた。
ここで西岸の僚船(プレジャー)登場、海上で寄せて情報交換。
すると近くで模様が!

固まる鳥に向け走るのはうちら二艇だけではなく遊漁も数隻。
でも、、、到達時には沈んでしまった。
しかし数分もすると少し移動して再びボイル発生!
我らのボートはポジション取り悪く、投げられなかったが、僚船が掛けあっさり20キロ弱キハダゲット!
ルアーはハルシコ120、シンペン(シンキングのペンシルタイプ)との事。
ルアーへの反応と、ベイトの仮想サイズをこれで想定できる。

何度かボイルが湧くものの、到達前に沈むを繰り返し、、、
僚船とまったり話していた時、それは出現した。
僚船が「あそこ出てね?いくべ!」
自分はバウのサークルにしがみつき、最大船速でボイルに走る。
結構跳ねるので、竿もってしがみつくのも大変(笑)
到着しても沈まないボイル、セグロのボールになっていてサメもついいる、チャンスだ!
先行は和船タイプのプレジャーと遊漁がボイル挟んで向こうに一隻。
いいとこにつけた!


ボイルまで距離約30m、沈む気配はない。
シンペンを鳥の薄いとこでイワシボール外さずに投げ込む。
一投、二投空振り、同船の仲間が掛けた!!
三投、四投、、、いいとこに入れてるのに食ってくれない。

仲間のは中々よさそうなサイズ、一瞬、もうサポートに回ろうか迷ったが、
五投目投げました!
イワシボールの左端、テンションフォールさせながら仲間のやりとりに目を向けた瞬間!
ギュっと引っ張る感触!喰った、喰ったっ!!!

瞬間、周りの遊漁とマツってないか、アワセを兼ねて竿を直線にしてグイッと引っ張った。
ギュ、ギュギュギゅゅゅゅゅゅゅゅゅゅゅゅゅゅっッ
気持よくドラグが出てゆく、よしっ!掛かった!
ドラグセットは約五キロ、ファーストランは50m程か、Wヒットだったので先に仲間に迷惑かけない様、ランが止まった時にドラグを更に締め込んだ。

最初は割とすんなり浮いて来たが、リーダーが見えそうになってセカンドラン、、、
今度はかなりドラグを締めてたのに30m潜る。

ここで同船者がボート操作して船団から離れる。
先ほどはすんなり浮いてきたのに、セカンドランが止まってから中々浮いて来ない。
ときおり絞り込まれて出ていくライン、強引に行きべきか待つべきか、
葛藤と確かに削られていく体力、気力。
色んな感情が湧く中で、どっか冷静にじっくり、我慢比べだと諭す自分がいた。

一度は仲間とラインが交差、スプールフリーにしてバウとスターンの立ち位置を入れ替える。
これで無事交差は解消、スターンでのシットファイトに切り替える事が出来て、
体勢も楽になった。
竿をより立てて、しの字ファイト!
すると少しずつだが、浮きだした。
後はふうふう言いながら浮かして、ネットイン、、、
果てしなく長く感じた時間だが、ファイトタイムは20分ほどか。

釣り情報アプリ釣りナビくんを使って釣れました!
ワタ、エラ抜きで26.7キロ、ワタヌキ加算10%とみるので約29キロ!!
キハダマグロとしてはそこそこ、マグロ獲ったどぉ!!と叫べるサイズw
念願のハトや持ちでパチりw満身の笑みが心底の喜びを表していた(笑)






ロッド、カーペンターHL-TN87
リール、ソルティが 6500H
ライン、YGKヨツアミ フルドラグPE6号400m
リーダー、ナイロン30号
ルアー、ファルコンデットベイト120/40gピンク
フック、アシスト仕様(自作)、スーパームツ20号

釣り情報アプリ 釣りナビくん

2013年10月4日金曜日

ボート野郎! ぐりの釣行記!⑧

ルアーでナブラ撃ち! 相模湾のマグロ


釣りナビくんユーザーの皆様、ご無沙汰しております。
去年の今頃から知人のプレジャーボートで追っかけるマグロキャスティングへぞっこんとなっていました。
おかげさまで本年7月1日には自身初となるルアーマグロゲット!黒マグロの20キロでした。
その後7月27日はキハダ10キロ、8月24日にはキハダ29キロゲットと幸運に恵まれました。
その一部ですが、リポートを書きましたので、楽しんで読んで頂ければ幸いです。

07/27 
朝から豪雨、雷の中出港も危ぶまれたが、程なく雲も去り、凪の海へと駆り出した。 
今回は情報が乏しく、水温の変化もあり、パヤオの西か、伊豆東沖か、朝から探索ルートに悩んだが、 
三浦を出て先ずは西、沖に設置してあるパヤオ(浮き漁礁)をかすめ湾央へ。 
ベイトっけはあるものの、海鳥もまばらで鳥山が固まらない。 
湾央からそのまま南下、東に沖の瀬を過ぎる辺りまで下がり、
このまま南下するか、更に西へ行くか戻るか。 
決断は東へ、沖の瀬を西から東へと横断し再び西へ。 

するとやっとカツオの散発的なナブラが見えて来た。 
しかしカツオの群れはスレてるのか、ボートを寄せると沈みも早く、方向転換も素早い。。。
しかもルアーの誘いにも全く反応しない。 
あちこち活性の高そうな鳥付きのナブラを撃ちつつ、パヤオ方向へ北上。 
同船者2人が一本ずつカツオを獲ったとこで、仲間がちょっといいサイズを掛けた。 
PE1.5号のライトタックルでの慎重なやりとりの末浮いたのはキメジ
八キロ位あるから、キハダと呼んでもいいサイズ。 
その後、自分もカツオを一本獲って、更に湾奥の相模ブイに向け北上。
その頃は南風もかなり強くなって、チャっピーな海に。 
カツオのナブラは、白波で遠目には見分けがつかない程。 

だが、ここで本日一番のチャンスが発生!! 
明らかに鳥が塊り、スーパーボイルが発生!! 
それも二か所で! 
右か左か悩んだが、より活性の高そうな右のボイルを選択、全速でボートを走らせる。 
崩れてはまた塊、動きながら沸き続けるボイル、、、 
しかしボイルのセンターはなんと他から駆けつけた遊漁船のまん前へ。。。 
遊漁ルアー船のミヨシ前10mでぼこぼこ沸いている、目測20〜30キロサイズのボイル! 
遊漁船が近すぎるので投げるのを躊躇していると、ボイルは我がボート方向へと崩れ始めた。 
今だ!ボイル少し向こうにシンキングペンシルをキャスト、少しテンションを掛けてボイルのセンターへ引き込んで
軽いテンションフォールで沈めて行くと、モゾモゾッとした感触からギューンとラインが走った!!
来たっ!喰ったっ!! 
ラインを巻き、アワセを入れようとすると、ラインがあらぬ方向へ引っ張られる?? 
遊漁のお客さんのルアーが此方のラインに絡んで引っ張ってる。 
「引っ張らないでー!テンション抜いてー!!」 
聞こえたみたいで、緩めて貰ったらうまく外れた。 
ジーッ、ジジジーッ、、、ドラグセットは約5キロ、20m程ラインが出て行く。 
ボートの反対側に走ったのでロッドで船底をかわして、反対舷へ。 
スターン側を見たら仲間も掛けている、ダブルヒットだ!! 
すんなり浮いてきて、10キロ程のキハダが浮いてネットイン。 
仲間も同サイズを無事取り込んだ。
も少し大きいの喰って欲しかったなww 


その後、固まらない鳥の下を誘い出し、、、 
仲間のルアーに水面を割って二度三度アタックあるも掛からず、
再度のキャスト誘いからドカーンって派手なしぶきを上げてヒット!! 
「喰った!ヒットー!」 
竿を直線気味に二度三度と合わせを入れる仲間。 
ジーッッッッッッッッッッッッッッ 
100mは一気に走ったか、更に二度三度と走りは止まらずスプールはどんどん細くなっていく。 
かなりのサイズを予感、自分はボートを操船してサポートに入る。 
ラインが船底をコスらないように右旋回、左旋回、走り止まらなければ、ボートで追っかけて少しでも巻きとらせ、
一進一退の攻防が続く。
「ふーっ、ふぅーっ」興奮と疲労で息が荒くなってる仲間。 
果たしてどれくらいのファイトタイムだったか、30分位か。 
浮いて来たのはマグロ、ではなくシャーク!! 
しかも2m半、100キロは超えてそうな人喰い系w 
暫く拝んで、ラインを切ってお帰り頂いた。 
これマグロだったらかなりいいサイズだったのでは? 
オチもついて、渋い一日ながら上がり良ければと意気揚々の帰還となった。

次回に続く・・・・・。


タックルデータ

ロッド、カーペンターHL−TN87 
リール、ソルティが 6500H 
ライン、YGKヨツアミ フルドラグPE6号400m 
リーダー、ナイロン30号
ルアー、ファルコン デッドベイト120/40gピンク 
アシストフック、サークルムツ2/0 





2013年6月21日金曜日

NHKスペシャル「世界遺産 富士山 水めぐる神秘」の調査に参加しました

前回のNHKの番組「ダーウィンが来た」の西湖のクニマス調査に引き続き、今回もまたNHKの番組による調査に参加しました。

今回は西湖と同じ富士五湖の一つである本栖湖でのサイドスキャンソナーを使った調査依頼です。
本栖湖にも過去に田沢湖のクニマスを放流した記録があるので、「本栖湖にもクニマスが生存していた!」みたいな番組内容かと思いましたがどうも違うようでした。
話を聞くと、先日富士山が世界文化遺産に登録されましたが、その富士山の地下水がどこをどう流れてどこに湧きだしているのか、その水脈を調べるための調査らしいのです。
はて、地下水脈の調査でサイドスキャンソナーとは、これ如何に?????

よく話を聞くと、調査依頼の趣旨は以下のようでした。

富士山に降った雨と言うのは、そのほとんどが地中に浸み込んでいき、伏流水として富士山の麓で湧きだすのだそうです。
そう言われてみれば、富士山を流れる川ってありませんでしたね。
富士山の5合目あたりまで行った人はわかると思いますが、基本的に富士山の表面は他の火山と同じく、ごつごつしていっぱい穴のあいた軽石というか、火山岩に覆われているので、確かにこれじゃあ水たまりもできそうにないってな感じの地面です。
なので、富士山にしみ込んだ雨は、観光地として有名な白糸の滝や忍野八海、および、柿田川の源流として、かなり下った場所で湧き出しているのだそうです。


ただ、地表に湧き出している水は富士山に降った雨の一部でしかなく、それ以外の地下水はいったいどこに流れて行くのか、これまでよくわかっていなかったんだそうです。
そこで推察されたのが、他の地下水は富士五湖の湖の湖底や、富士山に近い駿河湾の海底から湧き出しているのであろうとの仮説です。

そこで、番組の目玉として、その富士山の地下水が湖底、もしくは、海底から湧き出している様子をカメラに収めたいことでした。
それには、海底の様子を広範囲に探ることのできるサイドスキャンソナーを使って、先ずはそれらしい場所を選定し、有望な箇所にROV(自走式水中カメラ)を潜らせて撮影する予定とのことです。

しかし、湧きでている地下水が、熱水鉱床みたく、音波の反射強度が強い気泡と一緒に噴き出しているのならともかく、いくらサイドスキャンソナーと言っても、海底もしくは湖底から水が湧き出している様まではわかりません。


と思ったのですが、さすがにそこまでは期待はされていませんでした。
要は、本栖湖では、湖底が溶岩状となっているエリアで、地下水の出口となっていそうな亀裂状の箇所がわかればいいとのことでした。
駿河湾の場合ですと、海底にある地震の断層帯から水が湧き出している可能性が高いとのことでしたので、急に深くなっている傾斜のある海域で、階段状のような地形があれば、そこが有望な場所になるであろうとのことでした。


そして行って来ました本栖湖および、駿河湾は田子の浦に。
富士五湖のうち本栖湖が選ばれたのは恐らくこの湖が一番水深が深く、貯水量が大きい湖だからでしょう。
また、駿河湾でも田子の浦あたりは、富士山の溶岩が駿河湾にまで達しているエリアなんだそうです。

果たして富士山から流れ出す大量の地下水が湧き出ているような穴のような場所は見つかるのでしょうか?


結論からいいますと、本栖湖の場合は「微妙」、駿河湾の場合は「有望」でした。
本栖湖では、湖底が遠い昔に溶岩流が流れ込んだ場所を中心に調査を進めて行きました。
画像を見ますと、溶岩流が冷えて固まった表面はゴツゴツとかなり起伏があったので、その中から亀裂らしきものを見極めるのは難しい作業でした。
それでも、なんとかそれらしい場所を選定し、調査結果を提出させていただきました。

次に駿河湾ですが、探す相手がスケールの大きい断層なので、溶岩の亀裂と違って、リアルタイムでモニターに映し出される画像を見れば、はっきりそれらしい場所がわかります。

その画像についてはここではお見せできませんので、是非NHKスペシャルでご覧になって下さい。
確約はできませんが、たぶん出ます・・・。

駿河湾の調査では、釣り船をチャーターしたのですが、船頭さんもその辺りの地形に詳しく、、確かに海底が大きいギザギザ状の岩礁帯があるらしく、その辺りはいい釣りのポイントにもなっているのたそうです。

今回の調査に立ち会って頂いた、産業総合研究所の先生の話では、富士山の地下水は栄養塩類やミネラルを多く含んでいるので、それが海洋生物の栄養源となっているのではないかとのことです。


確かに、この一帯はシラスや桜エビなどのよい漁場となっています。
ミネラル分を多く含んだ富士山の水が大量に湧き出していれば、それを養分として植物プランクトンが発生します。
その結果、植物プランクトンを食べる動物プランクトンが増え、動物プランクトンを食べる桜エビやシラスなどの小魚が集まり、それを追って大型魚がやってくるわけです。


話はそれますが、田子の浦港で漁協さんがやっている食堂で食べた生のシラス丼は激ウマでした。
ここにも富士山の地下水の恩恵があるのですね。
右の写真は、一日限定うん杯の赤富士丼です。
港を見ながら食べるのが何ともいい感じです。





そう言えば、確かにその断層があった上の海面には大規模なナブラが立っていました。
ナブラはたいがい早いスピードで移動しつつ短時間で消滅してしまうことが多いのですが、そこではたいして動きもせずに、長い間ナブラが立っていました。
船頭さんの話では、イワシの群れに付いた、サバのナブラだろうとのことで、この辺りは特にナブラが立ちやすいのだそうです。

なるほどなるほど、ということは、海底湧水のある場所さえわかれば・・・・・。
そうです!もう何をかいわんや推して知るべしです。
その場所は爆釣間違いなしの、超優良ポイントとなるはずです。

日本は言わずと知れた水資源の豊富な国です。
富士山に限らず、日本のどこかに降った雨は河川のみならず地下水となって、今日もあちらこちらの海底に湧き出ているはずです。
そして、その湧きだす場所が海底断層の裂け目なのです。
断層は地震の巣ですから、はっきり言って迷惑な存在以外の何物でもありませんが、日本全国に存在する、沿岸近くの海底断層の場所を知っていれば、これはもうどこに釣りに行こうが、ボート釣りのムテキングになれますね。

そう言えば、調査の時に駿河湾海底の断層帯マップをちらっと見せて頂きました。
とりあえずあの地図さえあれば、駿河湾でのポイントを全ておさえることができます。
そんなわけで自宅に帰ってあの地図がないか、ネットで検索すること小一時間。
その結果はと言うと・・・・。

ぜんぜん見つからね~っ!

私の検索スキルが低いのでしょうか、それらしい地図が全く見つかりません。
うーん残念。ボート釣りキングへの道がすっかり遠のいてしまいました。
世の中そう甘くはないですね。
もし、どなたかマップがある場所を知ってる人がいれば教えて下さい。
今度放映のNHKスペシャルでも、運が良ければちらっと出てくるかもしれません。

またまた話はそれてしまいましたが、来週放映予定のNHKスペシャルが今からとっても楽しみです。
果たして富士山の地下水が海底の断層帯から湧き出している映像は撮れたのかでしょうか?
その結果は我々にも知らされていないので、今からワクワクドキドキです。

そんなわけで、6月30日(日)午後9時から放送のNHKスペシャル「世界遺産 富士山 水めぐる神秘」 をみなさんお楽しみに!


NHKスペシャル

富士山 ~水めぐる神秘~

2013年6月30日(日)
午後9時00分~9時58分


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2012年6月1日金曜日

NHK ダーウィンが来た!西湖のクニマス調査に参加しました


6月3日19:30より、あの絶滅したとされていたけれども、別の湖で再発見されたクニマスをテーマとした、NHKの番組「ダーウィンが来た」が放送されます。
実はこの西湖のクニマスの調査に、釣りナビくんを運営する我々マリーンネットワークスも参加しています。

あれはまだ冬真っ只中の今年の2月頃でした。NHKさんから「西湖でサイドスキャンソナーを使ったクニマスの調査をしたい」との依頼があったので、渋谷区神南方面へ打ち合わせに行くことになりました。

朝日新聞 さかなくんクニマス発見のニュース
クニマスと言えば、ご存知の方も多いと思いますが、何年も前に絶滅したとされる田沢湖の固有種ですが、あのさかなクンが富士五湖の一つの西湖で再発見したことで、一躍有名になりましたね。
その辺の詳しい話はすでに語りつくされていると思うので、ここで深くは触れませんが、とにかく日本の生物学会においては歴史的な大発見といえるものです。釣りキチ三平にも似たようなストーリーがありますし、釣りをする人にとってもなかなか興味深いことです。

ちなみにその時の「ダーウィンが来た」の担当の方の話では、「西湖で発見されたクニマスの水中映像を撮りたい、できたら産卵シーンまでカメラに収めたい」とのことでした。
えっ、産卵シーン? クニマスって最近西湖で発見されたばかりで、しかもその生態については田沢湖の昔の文献に少しばかり残っているぐらいなはず。まだ未知の部分が多い魚で、今の段階ではほとんどUMAとして取り扱ってもいいぐらいな魚なのに!と、少なからず驚いてしまいました。

クニマスが発見された富士五湖の一つの西湖には、釣りの対象魚で有名なヒメマスが生息しています。西湖のヒメマスも遠い昔に他の湖から移植されたもので、その後は西湖の環境にすっかりなじんだようで、今では人の手を借りずに西湖で立派に繁殖しています。

クニマスは限りなくヒメマスに近い魚で、たぶん同じベニザケの陸封型の魚なんでしょう。なので、遺伝的差異がほとんどなく、多少ヒメマスより体色が黒っぽく斑点がないというだけで、その差も個体的な差の範疇でくくられてしまうぐらいのものらしいです。
しかし、そんな近縁の魚なのに、なぜ、西湖でヒメマスと交雑せずに、これまでその血を守って生きながらえてきたのでしょうか。

水質が悪化する前、まだクニマスが生息していた頃の田沢湖にもヒメマスが移植されたらしいですが、田沢湖でもクニマスとは交雑がおこらず、湖の中で共存していたという事実があります。
その理由として考えられるのが、産卵期の違いらしいです。遺伝的に交雑の可能性があっても、お互い産卵する時期がずれていれば、交配した子孫も残りませんよね。
クニマスのオスも産卵期になったら、取り違えてヒメマスのメスを追っかけまわしたりしているのでしょうけれども、その気のまったくないヒメマス相手じゃ毎年見事にふられ続けているのでしょう。

そしてそのクニマスの産卵シーズンなのですが、それがこの調査依頼の話があった2月頃とのことなのだそうです。
ちなみにヒメマスの産卵期は他のサケ科の魚と同じく10、11月頃です。このわずか3,4カ月の違いがクニマスをクニマスたらしめている理由となるんだそうです。

富士五湖の一つの西湖
今回西湖で発見されたクニマスも、実はクニマスによく似たヒメマスじゃないのかとの話もあるそうですが、もし今回の調査で産卵シーンが撮影できれば、もう決定的にクニマスだということが証明されるわけです。なので、今回の調査は学術的にも、それはとっても意義のある調査となるわけです。

そこで、なんでクニマスの産卵調査にサイドスキャンソナー?ってことになりますが、実は調査依頼の話があった時にはNHKの取材班がすでに現地入りしており、ダイバーさんが調査に取り掛かっていたそうです。

そこでクニマスの産卵シーンを捉えるべく、ダイバーさんが湖底深くまで潜っていったらしいですが、湖水は透明度が悪く、しかも湖底は一面、浮遊性の泥、泥、泥、だったそうです。

てっきりクニマスも他の陸封されたサケ科の魚同様、湖に流れ込む川を遡上して産卵するのかと思っていましたが、田沢湖の文献によれば、クニマスが産卵する場所は湖の深い場所で、水が湧き出している砂利状の湖底なんだそうです。
この話にも少し驚きましたが、お世辞にも大きい湖とはいえず、泥が堆積した西湖でそんな条件を満たした産卵場が存在するのだろうか、そして、そんなクニマスがよくこれまであの小さい生態系の中で生き残ってこれたものだと感心しつつも、正直半信半疑でした。

ヤマメやイワナ、ニジマスなどのサケ科の魚の卵って、流水中でないと酸欠になって死んでしまうというイメージでしたが、クニマスはちょっと他のサケ科とは違う魚だったんですね。きっと田沢湖の環境の中で、固有のガラパゴス的な進化を遂げたのでしょう。まさしく、ダーウィン的な魚というわけです。
ちなみにヒメマスも湖で産卵するそうですが、もっと浅い場所でやはり水が湧き出ている場所だそうです。

まあそんなわけで、湖の深い場所は泥だらけ、ちょっと動くと泥が舞い上がって何も見えなくなってしまうほどなんだそうです。しかも地元の漁師さんがこの辺がクニマスの産卵場ではないかという場所には、捨てられた魚網とかが沈んでいて危険も伴うため、ダイバーさんによる調査はちょっと無理ということになったらしいです。
じゃあ、ダイバーさんが無理ならってことで、ROVと呼ばれる水中を自走するカメラも投入したのですが、湖底に近づくとやはり泥を舞い上げてしまい、底近くの映像を撮るのが難しいとのことでした。

そこで、我らがサイドスキャンソナーの投入とあいなったわけですが、前にも紹介したとおり、サイドスキャンソナーは魚群探知機を超高性能にしたようなもので、超音波を湖底にむけて発射し、反射して帰ってきた音波をひろって画像化する機械です。これならば水に潜らずとも、湖底の様子を広い範囲で探れるということでの依頼でした。

2月の西湖と富士山
そして勢い勇んで行ってまいりました、強風吹きすさぶ極寒の西湖へ!
久しぶりの西湖は富士山がとってもきれいでしたが、あいにくの気圧配置で湖の上は結構な荒れ模様。それでも海に比べれば大したことはないのですが、寒いのなんのって、ソナーを吊るすロープやら滑車やら、青っぱな混じりの鼻水までもが凍りつく始末。その前に調査で行ってきた冬の東北の海よりもよっぽど寒かったです。

そんなこんなで、なんとか2日間の調査を無事に終え、解析したデータとともに調査結果を後日提出いたしました。
ここでは著作権の都合で画像をお見せすることはできませんが、西湖の泥質の湖底に何箇所か砂礫と思われる反応のある場所がありました。

ソナーセッティング中
その後、取材班の方たちは、砂礫の反応のあった場所や魚群が写っていた場所を、船の上から垂直に吊り下げる水中カメラを使って、一つづつ確認していくとおっしゃってました。
結構気の遠くなる作業ですが、幸運を祈りつつ渋谷区神南方面を後にしました。


その後、サイドスキャンソナーについてよく知っておきたいとのお話があったので、再度渋谷区神南方面へ向かいました。その時は調査取材も無事終了したとのことで、水中映像を見せていただく機会に恵まれたのですが、そこにはなんと…、写ってるーっ!まさしくあのクニマスが、他のサケ科の魚同様、尾っぽで底をかいて産卵床を作っているお姿が!
しかもその後にダイバーさんがその場所に潜り、小石をどかしたらなんとそこにまさしくクニマスのイクラが!

凍りついた!
さすがに放精放卵シーンまでは撮れなかったようでしたが(たぶん)、しかし凄い、いやしかしNHKはやっぱり凄い!あのまだUMAレベルの西湖のクニマスを、水中映像だけでなく産卵行動までをもカメラに捉えてしまうとは!
恐るべしNHK取材班!これって技術だけじゃなく、強運もないと撮れないと思います。

そのようなわけで、NHK取材班さんたちの目標達成能力に感服しつつ、渋谷区神南方面を後にしました。
ちなみに、サイドスキャンソナーによる調査風景は、ちらっと写ってるはずです。ほんのちらっと。
クニマスの映像が思ったよりも撮れてしまったので、あまり出番が回ってこなかったそうで…。

いや、そんなことはいいんです。今回クニマスを撮るのにサイドスキャンソナーが少しでもお役に立っていれば、それで十分なんですってば。

そういったわけで、皆さん放映を楽しみにしててください。6月3日夜7時半からです。鉄腕ダッシュ見てる人も、この時間は「ダーウィンが来た」にチャンネルを切り替えることを忘れずに!


生き物新伝説 ダーウィンが来た!








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