2018年12月18日火曜日

ショウサイフグとナシフグ

すっかり寒い季節となってきました。
こんな季節はやはり鍋ですね。
鍋に入れたい具材として人気が高いのは、なんと言ってもフグ!
自分で釣ったフグを鍋や刺身で食べるなんて最高の贅沢ですね。
手軽に釣ることができるフグと言えば、ショウサイフグです。
そこで今回は、ショウサイフグについて気になった最近の話題を取り上げてみます。


地球の温暖化によるものなのか、ここ最近、海水の平均水温が高くなってきており、日本沿岸の魚の生息分布が変化しているのは周知の事実です。
そしてこの海水温の変化はフグを食する人間界隈にも影響を与えております。
他の魚なら「最近はこれまで見なかった魚がよく釣れるようになったなー、まあ食べて美味しいなら別にいいじゃん」程度で済む話ですが、フグは別です。

そう、フグには毒があります。
で、何が問題なのかと言うと、海水温上昇によりフグの生息域が変わり、これまでなかった別種のフグと交雑した個体が頻繁に見られるようになったとのこと。
フグは種類によって食べられる部位が違い、ドクサバフグのように種類によっては全身が有毒と言う危険なヤツもいます。
この交雑が怖いのは、これまで安全とされていた、あるフグのある部位がこれまで通り安全であるかどうかの判断ができなくなることなんです。
外見はほとんど変わらないのに、遺伝子を調べたら交雑種だった例があるとのこと。

ショウサイフグ【東京都福祉保健局】/ 釣り情報アプリ 釣りナビくん

現在問題となっている交雑種は、太平洋に生息するショウサイフグと日本海に生息するゴマフグらしいです。
海水温の上昇で、ゴマフグが津軽海峡を通って、太平洋側に進出した結果、元々近縁であったショウサイフグと交雑することになったようです。
調べてみたところ、ゴマフグもショウサイフグも食べられる部位は、筋肉と精巣のみですので、交雑しても、食べられる部位は変わらないような気もしますが、交雑による突然変異で全身毒化することもあり得る話です。

ゴマフグ【東京都福祉保健局】/ 釣り情報アプリ 釣りナビくん

そもそもショウサイフグは筋肉中にも微量の毒を含んでいるものがあるようです。
ですので、毒を含んだものだった場合食べ過ぎると、人によっては当たる可能性があるとのこと。
いっぱい釣れたからって食べ過ぎるのはお勧めできないフグなんですね。

今のところ、ゴマフグと交雑したショウサイフグが見られるのは東北の太平洋側らしいですが、今後ショウサイフグに限らずどのフグがどのフグと交雑するかわかりませんので、フグを自分で釣って食べる人は注意しておいた方が良いでしょう。
あっ、もちろん自分の釣ったフグはフグの調理師免許を持った人に裁いてもらうのが前提ですよ!

個人的に気になるのが東京湾のショウサイフグです。
ここ近年、東京湾では、通年の釣りものとしてショウサイフグのカットウ釣りが有名です。
カットウ釣り専門の釣り船が出ており、釣ったショウサイフグは、フグ調理の免許を持った船長もしくは船宿の人がさばいてくれます。
日本海のゴマフグが東京湾にまでやってくることはないと思いますが、気になるのはゴマフグではなく、ナシフグと言うヤツです。

ナシフグもショウサイフグと近縁のグフですが、西日本に多く分布しているそうです。
このナシフグ、一部海域のものを除いて全身有毒認定されちゃってます。
もしかしたらショウサイフグとナシフグの交雑もあるのではと思ったのですが、今のところなさそうですね。
そもそも西日本では同じ海域に生息するフグ同士らしいので今さら交雑することはないと思います。

ナシフグ【厚生労働省】/ 釣り情報アプリ 釣りナビくん

しかし安心するのはまだ早い。
この二種のフグですが、見た目の模様がそっくりです。
違うのは頭の後ろの斑紋ぐらいなので、ぱっと見で見分けがつきにくいです。
で、何が気になるかと言うと、現在東京湾でナシフグが釣れたと言う話は私が知る限りありませんが、海水温上昇の影響でいつ西の方から、このナシフグが東京湾に入ってくるかわかりません。
大阪湾や伊勢湾には生息するようなので、以前より現地の保健所は注意喚起を促しております。

関東ではなじみのないフグなので、もしこのフグが釣れた場合、ショウサイフグと勘違いして食べてしまい、食中毒を起こしてしまう事例が出てきてしまうのではないかと、ひそかに心配しおります。
もちろん釣り船の船長なら見分けられると思いますが、自分でも注意するのに越したことはないでしょう。
ショウサイフグ狙いでなくても、他の魚狙いの外道で釣れてしまった場合、近所の魚料理店にショウサイフグと言って持ち込み、さばいて貰って食べてしまうことがないとも限りません。


話はそれますが、前回調理済みのソウシハギを間違って販売してしまった件の続報によりますと、購入後に身も肝も全部食べてしまった方がいるらしいです。
なんでもその後は特に変わった様子なくピンピンしているとか。
たまたまそのソウシハギだけ毒がなかったのか、それとも食べたのが本当はソウシハギではなかったのか、食べた人が毒に耐性を持った人だったのかどうか、本当のところは分かりませんね。

そもそもこの魚の毒問題、当たるも八卦当たらぬも八卦っていう側面があると思います。
怖ければフグもハギも食べなければいいじゃんって思いますが、それでも美味しい物は食中毒の危険があっても食べたくなってしまうのが人の性。
完全陸上養殖とトレーサビリティーの発達により、無毒フグの流通が一般的になればこの問題は解決されるとは思いますが、それでも天然ものにこだわる人はいなくなりませんからね。
この問題は未来永劫続くと思われます。

そんなわけで今回はフグの話題でした。
あー、フグ食べたい。




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2018年12月12日水曜日

ソウシハギが鮮魚店で販売?

三重県のとある鮮魚店が誤って有毒魚のソウシハギの疑いのある魚を「カワハギ」として販売してしまい、食中毒を引き起こす恐れがあるため購入者に食べないように呼び掛けているそうです。

伊勢新聞ニュース

ソウシハギはカワハギ科の魚で、体に黒色斑と淡青色の波状紋があり、内臓にパリトキシンという毒を持っています。
パリトキシンは食後半日から1日で激しい筋肉痛や呼吸困難を引き起こすとのことですが、国内では過去にこの毒を持った他の魚を食べて死亡した例もあるそうです。

よくスーパーの鮮魚コーナーではカワハギや、ウマズラハギを見かけますが、ソウシハギもその仲間になります。
その他にも食用となる、ソウシハギ同様大型になるウスバハギなんかもいます。
詳しくは以下の釣りナビくんの特集ページを参考にして下さい。

カワハギ特集

この魚、知っている人なら外見で判断はつきますが、さすがに皮を剥がされて店頭に並んだものを見分るのは難しいですね。

 【ソウシハギの疑いのある商品(三重県提供)】
【ソウシハギの疑いのある商品(三重県提供)】/釣り情報アプリ 釣りナビくん


ちなみに以下余談となりますが、以前近所のスーパーで売られていた一匹の魚に目が留まりました。

めばる?/釣り情報アプリ 釣りナビくん

ラベルをよく見ると・・・ め・ば・る !?

うーん、これはメバルではなくてヒメジの仲間ですね。
尾柄の黒い斑点の形からすると、ホウライヒメジだと思われます。
ホウライヒメジはもちろん食べられます。毒はありません。
メバルと同じく美味しい魚ですが、煮つけにした時に「あれ?メバルってこんなんだったっけ?」ってなるかもしれません。
まあ、このぐらいの間違いは笑って許される範囲でしょう。

けどヒメジの仲間ってどちらかというと南の魚って気がしますが、本当に北海道で獲れたのかなぁ?



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2018年11月28日水曜日

沖縄健宮古島に海洋センサーの取り付けに行ってきました

先日、弊社(環境シミュレーション研究所)が開発した海洋観測センサーの設置に宮古島に行ってきました。
当日の朝、協力していただく漁船が漁から港へ帰ってきました。
デッキには獲ったばかりのマグロ、シイラ、ツムブリが!

メバチとツムブリ/釣り情報アプリ 釣りナビくん

マグロはメバチマグロですね。
なんでも夜間に集魚灯を炊いてイカを餌に一本釣りするらしいです。
沿岸のマグロ漁といったら、引き縄や小規模のはえ縄漁のイメージが強いですが、八重山の方ではメジャーな漁法だそうです。

シイラ /釣り情報アプリ 釣りナビくん

ちなみにマグロに走光性ってありましたっけ?
マグロの養殖試験では車のヘッドライトに驚いて生簀網に激突死するなどあったようなので、逆に光を嫌うのではないかと思っていましたが、そうでもないようですね。

メバチマグロ /釣り情報アプリ 釣りナビくん

メバチマグロは日中は水深300mとかの深いところにいて、夜間に餌を取るため表層に浮いてくるんだそうです。
この漁法は、夜中に小魚を集魚灯で集め、それを餌とするメバチマグロが船の周りに寄ってくるところを釣りあげるのでしょう。

そこでふと思ったのですが、この釣り方って相模湾とか駿河湾とかでできないですかね?
最近は釣り用の集魚灯とかも売ってますし、いつかチャンスがあったらやってみたいと思います。

by ブルーオーシャン伊藤



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2018年8月29日水曜日

「ポジティブ・オフ」ってご存知ですか?

まだ聞きなれない言葉ですが、「ポジティブ・オフ」運動とは、休暇を取得して外出や旅行などを楽しむことを積極的に促進し、休暇(オフ)を前向き(ポジティブ)にとらえて楽しもう!という運動です。


ポジティブ・オフ/釣り情報アプリ 釣りナビくん

「ポジティブ・オフ」ホームページからの引用では、「休暇を取得しやすい職場環境や雰囲気をととのえていくこと、それをベースとした外出・旅行を通じて経済活性化に貢献すること、長期的にワークライフ・バランスの実現や休暇を楽しむライフスタイルなどの「ライフスタイル・イノベーション」につなげていくことを目的として、内閣府、厚生労働省、経済産業省が共同で提唱・推進している運動」とのことです。

欧米と違って現在日本の一般的な会社では、大中小の企業を問わず、社員は有給休暇を取ることもままならない、と言うか、周りが取っていないと自分だけ取るのは気が引けますよね。
そこでそんな古来からの日本の企業風土を変えようと、行政主導で現在行っている運動だそうです。

余暇を積極的に取ったら何をするか?

たまには何もしないでボーっとするのもいいかも知れませんが、やはりポジティブに余暇を取るなら、ポジティブに楽しみたいですよね。
余暇と言えばレジャー、レジャーと言えば、もう皆さんお分かりですね。


そう、釣りです。

まあ、そんなことを言わなくても、このページを見ている釣りキチの皆さんは、「あー、〇日後の潮回り、あのポイントに行けば爆釣間違いなしなのになー、有給取って釣り行きてー! けど今は有給下さいなんて言える雰囲気じゃないしなー」なんてこと、しょっちゅうですよね。
そんな会社の雰囲気を変え、いつの日にか自分の会社が有給を全て消化できるホワイトな会社になるよう、皆さんも運動を盛り上げていきませんか?

そのようなわけで、釣りナビくんもポジティブ・オフの賛同企業に登録いたしました!

皆さんも賛同企業に登録するよう、ご自分の会社に働きかけてみてはいかがでしょうか?
まずはじわじわと、少しずつ始めましょう。




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2018年7月26日木曜日

DeSET プロジェクトの実測調査に参加しました

伊豆半島稲取沖で行われたDeSETプロジェクトのマルチビーム測深機による実測調査に参加しました。

マルチビーム調査に出発/釣り情報アプリ 釣りナビくん


釣りナビくんではこれまでに得られた測深データによる海底地形図を公開しておりますが、やはり海の中は陸上の地形図並みの精度はありません。
ましてや、太平洋のど真ん中あたりの公海の海域の地形データはかなり粗いものとなります。
DeSETプロジェクトとは、日本および世界各国の沿岸のみならず、世界中の海底地形図を現在のレベルからより詳細なレベルに引き上げ、将来の海底資源の探査や水産資源の評価等に役立てていくプロジェクトです。

 詳しくはコチラ!

今回参加したTeam3では、AIを活用することにより解像度が低い海底地形エリアをより精度の高いものにする調査研究を行っております。
今回の調査では、現在開発中の海底地形作成AIが作成した海底地形と実際の地形を比較するために、センチメートル単位で測深できる高精度のマルチビームソナーを用いて調査を行いました。

海底の地形をモニター中/釣り情報アプリ 釣りナビくん



今回の調査で得られたデータをAIに学習させ、より精度の高い地形図を作成します。
この一連の「作成→調査→比較→学習→作成」のサイクルを繰り返し行うことで、海底地形図の精度をより高めていきます。
どれだけ正確な海底地形図ができるか、今から楽しみです!

そろそろ調査終了/釣り情報アプリ 釣りナビくん


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