こんな季節はやはり鍋ですね。
鍋に入れたい具材として人気が高いのは、なんと言ってもフグ!
自分で釣ったフグを鍋や刺身で食べるなんて最高の贅沢ですね。
手軽に釣ることができるフグと言えば、ショウサイフグです。
そこで今回は、ショウサイフグについて気になった最近の話題を取り上げてみます。
地球の温暖化によるものなのか、ここ最近、海水の平均水温が高くなってきており、日本沿岸の魚の生息分布が変化しているのは周知の事実です。
そしてこの海水温の変化はフグを食する人間界隈にも影響を与えております。
他の魚なら「最近はこれまで見なかった魚がよく釣れるようになったなー、まあ食べて美味しいなら別にいいじゃん」程度で済む話ですが、フグは別です。
そう、フグには毒があります。
で、何が問題なのかと言うと、海水温上昇によりフグの生息域が変わり、これまでなかった別種のフグと交雑した個体が頻繁に見られるようになったとのこと。
フグは種類によって食べられる部位が違い、ドクサバフグのように種類によっては全身が有毒と言う危険なヤツもいます。
この交雑が怖いのは、これまで安全とされていた、あるフグのある部位がこれまで通り安全であるかどうかの判断ができなくなることなんです。
外見はほとんど変わらないのに、遺伝子を調べたら交雑種だった例があるとのこと。
ショウサイフグ【東京都福祉保健局】/ 釣り情報アプリ 釣りナビくん |
現在問題となっている交雑種は、太平洋に生息するショウサイフグと日本海に生息するゴマフグらしいです。
海水温の上昇で、ゴマフグが津軽海峡を通って、太平洋側に進出した結果、元々近縁であったショウサイフグと交雑することになったようです。
調べてみたところ、ゴマフグもショウサイフグも食べられる部位は、筋肉と精巣のみですので、交雑しても、食べられる部位は変わらないような気もしますが、交雑による突然変異で全身毒化することもあり得る話です。
ゴマフグ【東京都福祉保健局】/ 釣り情報アプリ 釣りナビくん |
そもそもショウサイフグは筋肉中にも微量の毒を含んでいるものがあるようです。
ですので、毒を含んだものだった場合食べ過ぎると、人によっては当たる可能性があるとのこと。
いっぱい釣れたからって食べ過ぎるのはお勧めできないフグなんですね。
今のところ、ゴマフグと交雑したショウサイフグが見られるのは東北の太平洋側らしいですが、今後ショウサイフグに限らずどのフグがどのフグと交雑するかわかりませんので、フグを自分で釣って食べる人は注意しておいた方が良いでしょう。
あっ、もちろん自分の釣ったフグはフグの調理師免許を持った人に裁いてもらうのが前提ですよ!
個人的に気になるのが東京湾のショウサイフグです。
ここ近年、東京湾では、通年の釣りものとしてショウサイフグのカットウ釣りが有名です。
カットウ釣り専門の釣り船が出ており、釣ったショウサイフグは、フグ調理の免許を持った船長もしくは船宿の人がさばいてくれます。
日本海のゴマフグが東京湾にまでやってくることはないと思いますが、気になるのはゴマフグではなく、ナシフグと言うヤツです。
ナシフグもショウサイフグと近縁のグフですが、西日本に多く分布しているそうです。
このナシフグ、一部海域のものを除いて全身有毒認定されちゃってます。
もしかしたらショウサイフグとナシフグの交雑もあるのではと思ったのですが、今のところなさそうですね。
そもそも西日本では同じ海域に生息するフグ同士らしいので今さら交雑することはないと思います。
しかし安心するのはまだ早い。
この二種のフグですが、見た目の模様がそっくりです。
違うのは頭の後ろの斑紋ぐらいなので、ぱっと見で見分けがつきにくいです。
で、何が気になるかと言うと、現在東京湾でナシフグが釣れたと言う話は私が知る限りありませんが、海水温上昇の影響でいつ西の方から、このナシフグが東京湾に入ってくるかわかりません。
大阪湾や伊勢湾には生息するようなので、以前より現地の保健所は注意喚起を促しております。
関東ではなじみのないフグなので、もしこのフグが釣れた場合、ショウサイフグと勘違いして食べてしまい、食中毒を起こしてしまう事例が出てきてしまうのではないかと、ひそかに心配しおります。
もちろん釣り船の船長なら見分けられると思いますが、自分でも注意するのに越したことはないでしょう。
ショウサイフグ狙いでなくても、他の魚狙いの外道で釣れてしまった場合、近所の魚料理店にショウサイフグと言って持ち込み、さばいて貰って食べてしまうことがないとも限りません。
話はそれますが、前回調理済みのソウシハギを間違って販売してしまった件の続報によりますと、購入後に身も肝も全部食べてしまった方がいるらしいです。
なんでもその後は特に変わった様子なくピンピンしているとか。
たまたまそのソウシハギだけ毒がなかったのか、それとも食べたのが本当はソウシハギではなかったのか、食べた人が毒に耐性を持った人だったのかどうか、本当のところは分かりませんね。
そもそもこの魚の毒問題、当たるも八卦当たらぬも八卦っていう側面があると思います。
怖ければフグもハギも食べなければいいじゃんって思いますが、それでも美味しい物は食中毒の危険があっても食べたくなってしまうのが人の性。
完全陸上養殖とトレーサビリティーの発達により、無毒フグの流通が一般的になればこの問題は解決されるとは思いますが、それでも天然ものにこだわる人はいなくなりませんからね。
この問題は未来永劫続くと思われます。
そんなわけで今回はフグの話題でした。
あー、フグ食べたい。
釣り情報アプリ 釣りナビくん